パートシャルル コジカ
この二ヵ月余りどう暮らしてきたのか分からない・・・。
魂の半分をもぎ取られたまま、狂ったように、失われたその半分を追跡する毎日だった。
それ以外もう周りがどうなろうと、知ったことではなかった。
飲まず食わず眠らず、ひたすらに情報を集める毎日。
ただ少しでもと、その痕跡を求めて奔走するのに、一向にその気配がない。
それは故意に妨害、或いはことごとくもみ消されてしまっているのだろう。
気を失った所に、無理矢理注射や点滴を打たれて、どうにか生きていた。
ある種の麻薬にも手を出しながら、正気を保った。
それ以外もう周りがどうなろうと、知ったことではなかった。
飲まず食わず眠らず、ひたすらに情報を集める毎日。
ただ少しでもと、その痕跡を求めて奔走するのに、一向にその気配がない。
それは故意に妨害、或いはことごとくもみ消されてしまっているのだろう。
気を失った所に、無理矢理注射や点滴を打たれて、どうにか生きていた。
ある種の麻薬にも手を出しながら、正気を保った。
出来るならいっそこの身に流れる血の赴くままに―――狂ってしまいたかった。
だが私はまだ狂うわけには行かない。こんな所で死ぬわけにもいかない。
もしこの手にマリナが戻らないのであれば―――その時には、もう私はこの世には居ないであろう。
すぐにでも命を絶とう。
一刻でも、そんな世に耐えることは出来ない。
もしこの手にマリナが戻らないのであれば―――その時には、もう私はこの世には居ないであろう。
すぐにでも命を絶とう。
一刻でも、そんな世に耐えることは出来ない。
ルパートに義務を果たせと詰め寄られ、考え得る限り最小限にと思いながら、重い体を引きずり、それに臨む。
こんな時に、それでもこなさなければならなかったのは、苦痛以外のなにものでもなかったが、自分に架せられた役目だけは、捨てきることが出来なかった。
一体自分は何をしているのだろう。
時々、ひどく意識が混濁した。
こんな時に、それでもこなさなければならなかったのは、苦痛以外のなにものでもなかったが、自分に架せられた役目だけは、捨てきることが出来なかった。
一体自分は何をしているのだろう。
時々、ひどく意識が混濁した。
ある日も、萎えてフラフラの手足を悟られないようにしながら、当主として社交の場に、その存在を示さなければならなかった時があった。
「ご機嫌麗しゅう、ムッシュウ? 今宵は、ムッシュウの小さな奥様はいらっしゃらないんですの?
いつも仲がおよろしくていらしたのに、どうなさったんです?」
「私の妻は・・・今少し体調を崩しまして療養に行っているのですよ、マダム。マダムはいつもお元気そうで何よりです」
「おかげさまで。でも奥様が羨ましいわ。
なにしろムッシュウは、世界でも名立たるお医者様でもいらしゃるんですもの。何の心配も要りませんわね。」
「それは・・・どうなのでしょうか、マダム?
医者の妻は何とかとも言いますしね。何かと返って負担をかけているものなのですよ・・・。」
「まあまあご謙遜を。ホホホホ」
いつも仲がおよろしくていらしたのに、どうなさったんです?」
「私の妻は・・・今少し体調を崩しまして療養に行っているのですよ、マダム。マダムはいつもお元気そうで何よりです」
「おかげさまで。でも奥様が羨ましいわ。
なにしろムッシュウは、世界でも名立たるお医者様でもいらしゃるんですもの。何の心配も要りませんわね。」
「それは・・・どうなのでしょうか、マダム?
医者の妻は何とかとも言いますしね。何かと返って負担をかけているものなのですよ・・・。」
「まあまあご謙遜を。ホホホホ」
私は自分がちゃんと普通の顔をしているのか、全く自信が無かった
鬼のような顔をしてはいまいかと
そんな空虚な気分で
半分心が分裂した抜け殻のまま
空しい役を演じ続け無ければならなかった
鬼のような顔をしてはいまいかと
そんな空虚な気分で
半分心が分裂した抜け殻のまま
空しい役を演じ続け無ければならなかった
消耗しつくして帰った私のところに、微かながら引っかかる情報が入ってきた。
『・・・市の救急病院にて、マダム・マリナ・ドゥ・アルディに似た女性運ばれる』
と。
と。
これは世界中にばら撒いた情報屋からの知らせだった。
思わずデスクを拳で叩いた。
側にあった、陶製のランプが床に落ちて砕け散る。
側にあった、陶製のランプが床に落ちて砕け散る。
何故病院なんだ・・・? しかも救急だと!!? あの男はマリナにいったい何をした!!
もちろん―――無傷で戻ってくるとは思っていなかった。
見つけたとしてもそれなりの覚悟が必要だと。
それは分かりきったことだった。
見つけたとしてもそれなりの覚悟が必要だと。
それは分かりきったことだった。
それでも手がかりを見つけた・・・!! やっと。
やっと・・・やっと!!
やっと・・・やっと!!
無事でいてくれるだけでいい。
いや、生きていてくれるだけでいい。
君の全てが破壊されていようとも、この手に戻るものなら・・・私は何があったとしても必ず、それを全て受け入れると誓おう。
いや、生きていてくれるだけでいい。
君の全てが破壊されていようとも、この手に戻るものなら・・・私は何があったとしても必ず、それを全て受け入れると誓おう。
あの輝ける魂を、必ず・・・必ずこの手に取り戻す・・・!!
読んでくれてありがとう
0 件のコメント:
コメントを投稿