「シャルル、支度できた……って、難しい顔してナニ見てんの?」
「ああ、これさ」
「わぁ、可愛いっ!
あら? このモデルどっかで……ひょっとしてっ、あんたの肖像画!?」
「……だったらどうだっていうんだ」
「だってっ、そのぉ、はは。 そ、そんなことより、一体誰が描いたものなのよっ。
これって貴重よ~、コレ描いた人は、あんたをこういう目で見てるってことですもの!」
「何が貴重なのか、後でゆっくり説明してもらうとして……正確に言うと、この作者は、オレをこう”見ていた”らしいね」
「見ていた? ああそういえば、ずいぶん古ぼけてるものね。
年は今のあんたくらいなのに昔に描かれたってことは、あんたの未来予想図ってわけ!?
……ぷ、くく……いたっ!
あ、ちょっと待ってっ、しまわないで~っ、もうなぁんにも言わないし笑わないから!
誰が描いたの、オネガイ教えてっ 」
「―――エロイーズ・ドゥ・アルディ、つまりオレの母親さ。
日付からすると、最後のオレの誕生日に描いたらしいね。……こんなものがあったなんて、知らなかったよ」
「そう、ママンが描いたものだったんだ。
―――ママンの中では、あんたはこんなにステキな笑い方をする青年になっていたのね」
「……」
「これを見るだけで、あんたがどんなに愛されてたか、よくわかるわ。とってもあったかい絵ね」
「君にはそう……見えるの? マリナ……。
でもオレは、こんな笑い方、到底出来ないね。
彼女の期待には、そえてないってわけだ」
「そんなこと当たり前でしょ!」
「え?」
「あんたは生きてて、ママンの知らない、いろんな時間を過ごしてきたのよ。
今あたしの前にある笑顔は、辛いことも悲しいことも乗り越えて、たくさんの思い出を抱えた、もっと大きな笑顔だわ。
あんたの歩いてきたその分の道が、あんたの笑顔をもっと輝かせるの、これからも、ずっと。
ママンはきっと天国で、その裏切りを喜んで見てるんじゃないかしら、ふふ。
一番近くで見てるあたしが保証するわ、シャルル。
あんたの今の笑顔は、とってもステキだって!」
「っ」
「どしたの、頭でも痛いの? お出かけやめる? ディナーもったいないけど、うちで食べてもいいわよ。でもデザートは倍にしてねっ」
「具合は悪くないし、デザートも増やさない。
まったく……君にはいつも驚かされるよ、マリナちゃん」
「絵、よく見せて。
ふふ…まるで天使みたいね、見てるだけで優しい気分になるわ。
ママンからの、時を越えた贈り物ね」
………… …… …
「―――? マリナ、今何か……いや、なんでもない。
さあ、そろそろ出かけよう。
君とまた、新に時を重ねることの出来るこの日に、感謝しなければならないね」
(いいえ、感謝するのは私の方……お誕生日おめでとう。
いつまでも愛しているわ、私の愛しい天使―――シャルル)
なんとなく昔のサイトのデータを掘っていたら、出てきましたので、再掲シてみたですよ(´;ω;`)
覚えてる人いるかな~(笑)
まだシャルルのお誕生お祝い、ぷるの中では終わってないので(笑)いいかな、と♪
らぶぱんちどらんかー当時、いただいた素敵なシャルルのイラストに感銘を受けて書いたSSです。
ミホさん、改めて本当にありがとうございました…!!(ノД`)・゜・。💕✨
親ならば、どうしたって想像してしまう、我が子の将来の姿。
しかもその成長を見れないままに、この世を去らねばならなかったママンの苦悩……ひとごとではアリマセン。
おそらくこういうことも、やっていたのでは~と、そのイラストを見たとたんに気づいたんですよね(´;ω;`)
でもママン、あどけない天使みたいな笑顔はできないけど、今のシャルルはもっと素敵な笑顔をしてます♪
なんたって、マリナちゃんの保証ツキ!(なんちって!!!痛々しいw泣きたいwww)
どうか天国で、安らかに……シャルル(とミシェル!)をこの世に産んでくれて、ホントにありがとうっ。(オシエルで扱いが酷くてごめんなさいっ;;)
拍手いただけるとガンバレます( ´∀`)
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